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経営のヒント vol.9 小さい会社のエンタメブランディング

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最新号 「小さい会社のエンタメブランディング」

モノ消費よりも、コト消費。

モノが売れない時代と言われています。それで、今はコトが売れるらしい・・・。
それで、その今流行っているコトって何?
うちはモノしかお店においてないんだけど・・・・。

そういう疑問、よくわかります。そんなみなさんのために、今回はコト消費って何?ってところを、お寿司屋さんの取り組みを通じてご紹介します。

キーワードは、「エンタメ」です。

モノを売らずに、エンターテイメントを売ろう!

日々経営相談を行っていると、相談者さんの悩みのほとんどは「思ったように売れない・・・」です。

それはそうだと思います。

だって、僕自身も、どうしても欲しいモノなんて世の中にないですもん。
でも、世の中ではお金が動き回っている。いろんなものが、なにやら消費されている。

だから、自分の商品もなんとか売れるのではないか。希望的観測は、なかなかうまくいきません。
みんな、悩んでます。

そんなとき、僕はこう思います。
自分自身も、立派な消費者だよな。
色々とお金を使っている。僕は、いったいなにに、お金を使っているんだろう?
はい。なにに・・・。

ハートそこで考えました。僕は、“うれしい”にお金を使っている。


うれしいが欲しくて、お金を使っている。
モノやサービスを通して、“うれしい”をもらっている。


これです。これをみんなでやりましょう。

誰かの“うれしい”になる

こんな事例がありました。
川崎の老舗のお寿司屋さんです。こんな相談内容でした。

ペルソナカナモ「昔は、2時間待ちも当たり前だったんだけど、最近は常連さんも高齢化してなかなか来てくれない。
大手寿司チェーンもいっぱいあるし。どうにか若い人達にも昔ながらの寿司屋に来て欲しいんですよね。
思ったほどそんなに高くないのに。やはり、敷居が高いんですかね。」


そこで僕は、お寿司を売るのではなく、
「エンターテイメント」を売ろうという提案をしました。

まずは、強みの整理から。
1. 女将さんの気さくで素敵な接客力。
2. 今では手に入らない、1枚板のすんごく高価な木のカウンター。
3. 店内も宮大工がこしらえた昔ながらの粋な内装。

ターゲットは、こう設定しました。
個人店のお寿司屋さんで「大将!適当にみつくろって!」なんて一度は言ってみたいと思っているが、敷居が高くて入店するまでにはいたらない若いお客さん。

コンセプトは「劇場型寿司店」
一枚板の美しいカウンターを舞台に見立て、寿司職人の包丁さばき、女将さんとの会話を堪能する。

そして生まれた新サービスが 、「はじめてのカウンター」
キャッチコピーは、「大人の証、あなたのカウンターデビューを最高の瞬間に」

ペルソナカナモメディアへの情報発信がうまくいったこともあり、
すぐ20組くらいの新規客から予約がありました。


ここで考えて欲しいのは、「はじめてのカウンター」という
新サービスをあえて作らなくても、
女将さんは初めてのお客さんに最高の接客はしていたんです。


でも、自分自身の仕事をエンターテイメントという視点で捉えなおすことで、新たなお客さんにアプローチすることができた。

そういうことです。

女将さんに聞いたエピソードとして、秋田から上京していた女子学生さんが、お母さんが娘の様子を見に来るってときに、このサービスを思い出し予約してくれたんだそうです。女将さんも気合が入って、たいそう喜んでくれたそうです。

これって、ただのお寿司屋さんじゃないですよね。
娘さんと田舎から出てきたお母さんに、最高の時間をプレゼントする事業です。

お寿司っていう手段を使って。
まさに、エンタメです。

エンタメ的な視点で、事業を見つめなおす

僕は、どんな仕事もエンタメ的な視点を使って、自分の事業を見つめなおすことって大事だなと思うんです。

モノが売れない時代に、どうやってお客さんに“うれしい”を届けるか。

みんなでエンタメを使って、価格競争から抜け出しましょう。
ファンに囲まれて商売をしましょう。売上げアップを目指しましょう。

僕はこれを、エンタメブランディングと呼んでます。

(提供:神奈川県よろず支援拠点
コーディネーター
浦川 拓也