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経営のヒント vol.12 「BtoB営業は AIに仕事を奪われるか?」

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最新号  BtoB営業は AIに仕事を奪われるか?

近年、AIの進展でなくなる仕事が話題になっています。

AIにとって代わられるものとして、経理や一般事務、機械オペレーターなど、
定量的データを型通りに扱うような職種が挙げられていますが、

営業の将来はどうなるのでしょうか。

ネット販売ができるBtoC商品であれば、
AIがビッグデータを分析してきめ細かなマーケティングを行うことで、
営業や販売員が不要になってきています。

さらにAIが進展すると、BtoBの営業もAIにとって代わられるのでしょうか。

目次

  1. BtoB営業は、競争力の源泉。
  2. AIに馴染まないBtoB営業とは。
  3. 人は嘘をつく。

1. BtoB営業は、競争力の源泉。

AIは、あくまでも人がつくったアルゴリズムで、
過去の経験を学習して論理的推論の精度を高めているにすぎません。
ですから、複雑な交渉を伴うBtoB営業に代わることは難しいと考えられます。

また、営業活動では機密性の高い情報が扱われるため、
学習のためのデータが与えにくいという事情もありそうです。

BtoB営業は、他社との差別化を図ることができ、競争力の源泉としてあり続けると思われます。

では、AIに馴染まないBtoB営業は、どのような特徴があるのでしょうか。

2. AIに馴染まないBtoB営業とは。

BtoB営業とBtoC営業を比較すると、次のように整理できます。

B to CB to B
購買者個人組織
意思決定の方法個人が単純に組織が多面的に
関係者少ない多い
意思決定までの時間短い長い
専門性低い高い
スイッチングコスト低い高い
取引量/金額少ない/小さい多い/大きい
取引の継続性スポット継続的
ターゲット数多い少ない

企業や行政機関などの組織を対象とするBtoB営業は、
BtoCに比べて購買活動に関与する人が多く、意思決定までのプロセスが多面的・専門的になるため、
比較的複雑な活動といえるでしょう。

機械部品など生産財の営業担当者であれば、
資材購買の担当者だけでなく、その上位者、設計や製造などの関係者にもアプローチします。

多くの関係者とコミュニケーションを図り、
情報を整理・分析して提案を行うという活動を繰り返して、受注を目指します。

ターゲットが定まってからの活動のポイントは、
顧客が解決したい課題を正しく捉えることです。

そのためには、顧客企業内の利害関係を整理し、
利害関係者が抱えている課題や当該案件に対する考え方を
把握、意思決定のプロセスを明確にしていきます。

この辺りが見える化できると、戦略が立てやすくなります。

3. 人は嘘をつく。

ここで、情報の収集から分析において、顧客は嘘をつくことを忘れないでください。

価格で競わせるために、
競合の方が安いといった嘘は平気でされますし、曖昧なままにされることも多々あります。

このように多くの関係者が関与し、嘘まで織り交ぜられるBtoB営業は、
AIが学習するにはかなりハードルが高そうです。

今後、一部の業務は次第にAIにとって代わられるでしょうが、
BtoB営業はまだまだ人の力が発揮でき、競争優位性を創り出せる仕事ではないでしょうか。

(提供:公益財団法人 神奈川産業振興センター
経営総合相談課 相談員 清水 仁司