きらりと輝く!かながわ企業インタビュー

神奈川県内で事業を営む中小企業経営者の皆さまのインタビューをご紹介します。

社員とともに繋いでいく

神奈川県内で頑張る中小企業の皆さまのインタビューをご紹介します。

今回は、事業承継に向けて、借入金を経営者保証のない形へ借り換える「事業承継特別保証制度」をご利用したキョウリツエレクトロニクス株式会社様へのインタビューです。事業承継に関する支援を行う公的相談窓口「神奈川県事業承継・引継ぎ支援センター」の吉野様にもご参加いただき、事業承継についてのポイント等も伺いました。

突然の社長退任…
残された私は、社員とともに

[ 代表取締役社長 塚田様 ]

弊社は、制御盤・計装盤関連を製作する会社として、1980年3月にこちらの工場で創業しました。
当時の社長は別の者でした。

創業時からさまざまな製品の開発を行ってきましたが、現在は制御盤・計装盤の設計・製造業を主としています。

創業から10年経過した頃、突然、当時の社長と専務が辞めてしまいました。

業績は芳しくなく、会社には私とほかの社員たちだけが残されました。
そのような状況に不安があり、また私自身も他社から引き抜きの誘いを受けましたが、当時から「社員とともに」という想いが強かったため、社員を残して去ることはできず、私が弊社の社長に就任することとなりました。

会社というのは一人でできるものではなく、
社員全員でできるもの

私の経営方針は、一貫して「社員全員が経営に参画する」という考え方にあります。

決算状況は毎月、合同朝礼で社員へすべて公表します。
社員に「自分の会社」だということを認識してもらいたいと考えています。

私が社長に就任してからも厳しい経営状況が続いていたため、しばらくは社員へ業績報告を行う際は辛かったです。
それでも、包み隠さず伝えていたため、社員のみんなは不安は持っていても、不信感はなかったのではないかと思います。

働きやすい職場では、社内の清潔感を保つことも重要です。
私も小林も、朝早く来て掃除をします。
お手洗いの清掃は順番制となっていて、私も徹底的に掃除します!

個人保証がなくなり、
事業承継をスムーズに進めることができます

弊社は、数年前から事業承継の検討を始め、承継を見据えた経営計画を策定、実施していました。
そして、自身が80歳になることから、そろそろ…と考え、本格的な準備に着手しました。

ちょうどその頃、以前に専門家派遣でお世話になった保証協会の原さんから連絡があり、円滑な事業承継のために、借入金を個人保証のない形へ借り換える制度について提案をもらいました。

借入金に個人保証があることは、事業承継にあたっては、やはり障害になります。

紹介いただいた保証制度を利用できたことで、その点の心配がなくなり、事業承継を積極的に進めることができます。
弊社には絶好のタイミングで紹介をしてもらったので、大変感謝しています。

円滑な事業承継に向けて、
事業承継特別保証の推進をしています!

[ 神奈川県信用保証協会 原 ]

経営者の高齢化による廃業の増加など、中小企業にとって事業承継は喫緊の課題となっています。

そうした中、当協会では、円滑な事業承継に向けた支援を中期事業計画の重点課題に位置付けており、借換えにより経営者保証を解除する「事業承継特別保証制度」の推進もその一環です。

以前、こちらの外部専門家派遣を担当させていただいた際、塚田社長から、事業承継に向けた準備を実践されていることを伺い、経営計画を自社で策定するなど堅実な経営を実践されていたので、制度の財務要件などもクリアできるものと思い、ご案内しました。

お申込みのご意向を確認してからは、事業承継や事業引継ぎの支援をされている事業承継・引継ぎ支援センターの経営者保証コーディネーターの吉野さんと一緒に進めました。

事業承継は早めに準備しておくことが大切

[ 神奈川県事業承継・引継ぎ支援センター 吉野様 ]

事業承継は、やはりタイミングが大切です。

承継準備を進めて引継ぎを完了するまで、平均で3年~5年かかると言われています。
社長が現役で元気に働けている状況ではなかなか意識しにくく、準備を始めることは難しいと思いますが、早めに準備しておくことは万が一の備えという意味でも非常に大切です。

塚田社長は早くから着手していて、保証協会からの紹介も時機を捉えていたのが今回の取組みに繋がったのではないかと思います。

当センターでは、さまざまな支援を行っています。
保証協会や金融機関をはじめとした関係機関と連携しながら、県内中小企業の皆さまの事業承継に繋がるような支援ができればと思っています。

キョウリツを残していきたい、
私が継いで繋いでいくと決心した

[ 専務取締役 小林様 ]

弊社はこれまで社長の塚田を「顔」として経営してきたので、その大役が自分に務まるのかという不安はありました。

M&Aという選択肢もありますが、塚田も私も従業員とともに、キョウリツを残していきたいという想いが強く、最終的には、私が継いで繋いでいくと決心しました。

塚田の良いところは、お客さまにも従業員にもずっと誠実に接し、事業を行ってきたところだと感じています。
社員に包み隠さず伝え、風通しの良い職場にしてきた点、そこはこれからも続けていきたいです。

企業概要

会社名キョウリツエレクトロニクス 株式会社
代表取締役塚田 有三
所在地川崎市高津区溝口3丁目25番1号
事業内容制御盤・計装盤の設計・実装、産業用パソコンの設計・製作
ホームページhttps://www.navida.ne.jp/snavi/100499_1.html